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S/4 HANAとは
SAP InformationSAP HANAって?SAPの新たな機能や特徴を徹底解説!
SAP HANAについて知らない方もいるかもしれません。SAP HANAは、SAP社が提供するインメモリーデータベースです。この記事では、SAP HANAの機能や特徴、メリットとSAP S/4 HANAとの違いについて解説します。
SAP HANAとは?
SAP HANAとは、SAP社が提供するインメモリーデータベースです。従来、カラム型はデータの読み込みは高速な反面、トランザクション処理が遅くなるという問題がありましたが、SAP HANAでは高度な分析と高速なトランザクションが可能となっています。
SAP HANAは2010年に発売され、SAP HANA 2.0を経て2020年にはSAP HANA Cloudが発売されました。
SAP HANAの特徴
SAP HANAの特徴は、「インメモリーデータベース」と「クラウドとオンプレミスの両方に対応」という点です。
以下に、その特徴2点について説明します。
インメモリーデータベース
特徴の1つ目は、「インメモリーデータベース」で処理速度が超高速である点です。
従来のデータベースは、データをHDDやSSDに保存してから、メモリ上に引き出してCPUで処理をするため、インメモリーデータベースより処理速度が遅くなります。
一方インメモリーデータベースは、データを直接メモリ上に引き出し、そのデータをCPUで処理するということから非常に高速な処理が可能です。
クラウドとオンプレミスの両方で対応
特徴の2つ目は、「クラウドとオンプレミスの両方で対応できる」という点です。
オンプレミスでは、企業に合った要件をカスタマイズできますが、サーバを調達しなければならず、構築には1〜2ヶ月かかるというデメリットがあります。クラウド上でSAP HANAを利用することにより数分でシステムを作成でき、カスタマイズも容易になります。
またクラウドではAWSやMicrosoft Azure、Google Cloudなどもサポートされています。
コンテナベースの仮想化技術により、メモリやCPU、ユーザ数などを簡単に拡張できるのもクラウドの特徴です。
SAP HANAのメリット
それではSAP HANAにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、SAP HANAのメリットについて「企業の管理を高速化」「SAP ERPによる会社業務の最適化」「ITガバナンスの促進」の3つを説明します。
①企業の管理を高速化
メリットの1つ目は、「企業の管理を高速化すること」です。現在ERPの導入企業は多いですが、これまでのデータベースは処理に時間がかかり、リアルタイムでの分析ができず企業の判断や意思決定がリアルタイムにできない状態でした。
SAP HANAでは、データの高速処理や高度な分析により、企業判断や意思決定など企業の管理を高速に行えます。
②SAP ERPによる会社業務の最適化
2つ目は、「SAP ERPによる会社業務の最適化」が可能であることです。
SAP ERPは、SAP社が提供するERPシステムで、ERP市場No.1のシェアを誇ります。
SAP ERPは会計業務・販売業務・在庫管理・生産管理といった会社の主となる業務を統合して、最適化や一元管理をするためのソリューションです。
最新のSAP ERPであるSAP S/4 HANAは、SAP HANAを基盤としており、より高速で正確なデータ処理を可能にしました。SAP S/4 HANAを導入することで会社業務の最適化が図れます。
③ITガバナンスの促進
3つ目のメリットは、「ITガバナンスの促進」です。
SAP ERPと統合することにより、会社業務のデータの連携をスムーズに行うことができます。また統合されたシンプルな設計になるため、ITガバナンスの促進につながります。
SAP HANAとSAP S/4 HANAとの関係
SAPには様々な機能があり、名前が複雑で違いが分からない方もいるかもしれません。SAP HANAはデータベースで、SAP S/4 HANAはERPシステムのことです。
ここでは、SAP HANAとSAP S/4 HANAの関係について説明します。
SAP HANAは、データベース
SAP HANAはデータベースです。インメモリーデータベースのため、高速処理が可能です。導入することによって、リアルタイムにデータ処理・分析を行い、経営判断を高速化することができます。
SAP S/4 HANAはERPシステムのこと
SAP S/4 HANAは、SAP HANA上で動作するERPソリューションのことです。SAP S/4 HANAは、SAP R/1、SAP R/2、SAP R/3(SAP ECC)を経て2015年に販売されました。
SAP S/4 HANAは、アーキテクチャが再構築され、データモデルができる限りシンプルになっています。例えばテーブル構造がシンプルになっているため、読み込みが少なくなった上にSAP HANAの高速処理によって瞬時に計算処理が可能となります。
SAP HANAは高速処理が特徴のデータベース
SAP HANAは、インメモリーデータベースであることから高速処理が可能のデータベースでした。
今後、RPAシステムであるSAP ECCのSAP S/4 HANAへの移行に伴い、SAP HANAのユーザーもさらに増えることでしょう。