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2022.02.19

SAP業界の年収や将来性は?SAPコンサルに求められるスキルと共に解説!

目次

ERP製品であるSAPを専門としたSAPコンサルタント。SAP業界の年収や将来性は、どのような状況なのでしょうか。ここでは、業界全体の年収や将来性だけでなく、SAPコンサルタントに求められるスキルや資格、業界全体の問題についてもご紹介します。

SAPとは

SAP業界の説明の前に、そもそもSAPとはどのようなものなのか、説明しておきます。簡単に言えばSAPとは、高いシェアを誇るERP製品の事です。

会社をひとつのシステムで管理するERP

SAPとは、ドイツSAP社が提供している、会社を一つのシステムで管理することができるSAP製品です。ERPとは、企業のヒト・モノ・カネ・情報、といったリソースを一元的に管理する考え方、またその考え方に基づいたシステムの事です。

ERPが世に出る以前には、会社のリソース管理は一元的ではなく、個々の部門毎に固有のシステムを用いて管理が行われていました。しかしそうした仕組みは、企業全体として見ると非効率な部分があります。

そこで、企業全体を一元的に管理するシステムが生まれたのです。SAPは、そうしたERP業界の中でも、世界的に有名な製品です。日本でも国内トップのシェアを誇り、大企業を中心に導入されています。将来性も高いと言えるでしょう。

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SAPコンサルの業務内容

SAP業界の将来性について解説する前に、SAPコンサルタントについて紹介しておく必要があるでしょう。SAPコンサルタントとは、どのような仕事なのでしょうか。

ERPパッケージ専門のコンサルタント

SAPコンサルタントとは、IT業界の中でも、SAPを中心としたERPを専門とするコンサルタントを指します。SAP製品を活用し、企業の抱える課題の改善を図る仕事です。

クライアントから課題をヒアリングし、その課題を解決できるよう、技術的な面だけでなく、予算やプロジェクトの計画を立て、提案を行います。また、提案に基づいてSAPパッケージをカスタマイズし導入のサポートをしていきます。

もちろん、ただ導入して終わりということではなく、導入後の改善を提案したり、運用のサポートも行います。システムを利用するためのマニュアルを作成したり、研修を手伝ったりすることもあります。

SAPコンサルタントはこのように、SAPというERPパッケージを専門としたITコンサルタントのことです。

SAPコンサル業界の年収

SAPコンサルタントの主な仕事内容については理解できたと思います。それでは、SAPコンサルタントにはどのくらいの収入が見込めるのでしょうか。ここではSAPコンサルタント業界の年収についてご紹介します。

業界の年収レンジは500~1500万円

SAPコンサルタント業界の年収には、500~1500万円と、かなり幅があります。ドイツSAP社の子会社であるSAPジャパンの社員の平均年収は1000万円を超え、日本国内でもトップクラスの数字となっています。

IT業界の中でも、一般的なITコンサルタントに比較すると年収が高めになる傾向にあります。SAPという専門性の高いコンサルタントであるため、年収も高くなるとされていますが、経験やスキルによって収入には幅が生まれます

もちろん、高度な資格を所有し、プロジェクトのリーダーとして活躍するようなSAPコンサルタントであるほど、収入は高くなります。しかしそれは、経験やスキル、資格に基づくものだということを理解しておく必要があります。

SAPコンサルに必要な資格やスキル

それでは、具体的にSAPコンサルタント業界で求められる資格やスキルとしては、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、資格とスキルの2つに分けてご紹介します。

認定コンサルタント資格は必須ではない

SAP業界には、認定コンサルタント資格があります。製品やバージョンにしたがって細かく分類されており、難易度や需要にも差があります。とは言え、SAPコンサルタントは、資格がないとできない仕事ではありません。

とは言え、SAPコンサルタントの求人の中には、資格の所持を応募条件としているものも数多くあります。また、チームリーダーなど、業界の中でより高い役職に就くためにも、認定資格は持っておく必要があるでしょう。SAP認定コンサルタント資格は、たしかに必須ではありませんが、高い収入を目指すのであれば、ぜひ取得しておきたいところです。高いコストがかかり、試験も簡単ではありませんが、企業の支援のうえ、取得にチャレンジするとよいでしょう。

業界で求められるスキル

それでは、資格以外にSAPコンサルタントに求められるスキルについてご紹介します。業界の中で市場価値を高めていくためには、これらのスキルを磨く必要があります。自身の将来性にも大きく影響します。

問題解決能力・提案力

まずは問題解決能力・提案力です。SAPコンサルタントは、クライアントの抱える経営課題を解決する仕事です。

そのため、その企業のどこに課題があるのか、そしてその課題をSAPを用いてどのように解決することができるのか、ということを捉える必要があります。

もちろん、クライアントに解決策を提案し、納得してもらう必要があります。クライアントの課題や予算などをヒアリングし、最適な提案を行う力が求められます。

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SAPやIT業界についての知識

2つ目はSAPやIT業界についての知識です。SAP製品や業界について理解していなければ、適切なコンサルティングを行うことはできません。クライアントとしても、SAP製品に理解のあるコンサルタントに担当してもらいたいものです。

また、大企業の場合には、既に部門ごとにシステムを運用している場合があります。それらをSAP製品に一元統合しようとしている場合、既存システムについてある程度把握する必要もあります。

そのため、SAP製品だけでなく、IT業界全般についての理解や知識を持っている方が、コンサルタントとしての魅力、将来性は高まります。

グローバルな考え方

3つ目が、グローバルな考え方です。SAPは元々ドイツSAP社で提供されている、ということもあり、業界の中でも世界的に高いシェアを誇っている製品です。

近年では特に大企業で、国内で運用しているSAPシステムを、海外にも展開する、という事例が増えています。業界についてグローバルな視点を持ち、海外展開についての知識を身に着けるだけでなく、英語などの語学力も必要となってきます。

SAP業界で話題の「2027年問題」とは?

SAPコンサルタントは高い収入が見込め、大企業を中心に需要も高い仕事です。これだけを聞くと、SAPコンサルタントの将来性はIT業界の中でも高く、安定的に仕事を続けていくことができると思われるかもしれません。ここでは、SAP業界の将来性に大きな影響を与える「2027年問題」についてご紹介します。

「SAP ERP 6.0」のサポート終了

「2027年問題」とは、多くの企業で利用されている「SAP ERP 6.0」のサポート終了に伴う業界への影響を指しています。サポート終了後は、SAP社が新たに開発した「SAP S/4HANA」か、他社ERP製品かを移行先として選ぶことになります。

新しい製品に移行するだけでは、と考える人もいると思います。しかし「SAP S/4HANA」は「SAP ERP 6.0」と大きく異なるようです。そのため、同社製品に移行する場合でもコストがかかる、という点が問題視されています。

そのためSAPコンサルタントの需要は、「2027年問題」に伴って高まると言えますが、「2027年問題」を期に、他社ERP製品への移行が進む、と予想する人もいるようです。「2027年問題」に伴って業界が動くことを想定しておく必要があります。

SAP業界の将来性まとめ

総評として、SAP業界の将来性は有望と言えるでしょう。ITコンサルタントとしては収入も高く、その専門性から需要も十分にあります。

もちろん、高収入を目指すのであれば、資格の取得やコンサルタントとしてのスキルを磨くことは必須になります。高いスキルと経験を積んだSAPコンサルタントであれば、年収1000万円も十分にあり得る業界です。

また、「2027年問題」のおかげで、需要がさらに高まるとされていますが、反対に別製品への移行が起こるという見方もあるため、業界の動向に注意しておく必要があるでしょう。

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