2022.02.22
SAP開発で必要なABAPとは?学習するメリットや初心者向け勉強法も解説!
目次
自社のシステムや業務改善のためにSAPを開発しようとした際に、必ず登場する「ABAP」という言葉。
一見SAPと混同されがちなABAPですが、非常に大事な役割を占めています。
そこで今回はABAPや初心者向けの勉強法についてご紹介していきます。
SAPとは
ABAPの説明に入る前にそもそもSAPとは何なのかについて見ていきます。
SAP社が開発するERPシステム
SAPとは、ドイツに本社を置くSAP社が開発しているERPシステムのことを指します。
単体名ではなくERPシステム全般のことを指し、多くのモジュールより構成されています。
ただ、「SAP」と一言で言ってもその用途や機能は多岐にわたります。
また、SAP社が開発しているため「SAP」という名前が付けられたのですが今はERPシステムの開発を行っている企業が乱立しています。
決してSAP社だけがERPシステムの開発を行っているわけではありません。
競合他社の製品は多く販売されており、ERPシステムを開発していることは珍しいことではありません。
そんな競合他社が次々と出てきている状態でもSAP社のERPシステムは高いシェア率を誇っています。
例えるならば、「スマホ」といえば「iPhone」のようなイメージを持っていただければと思います。
Android端末は、SamsungやGoogle Pixelなどがありますがシェア率的にはiPhoneの一強です。
つまり、ERPシステムは様々な会社のスタンダードプランともいえるでしょう。
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ABAPとは
では続いて、ABAPについて見ていきましょう。
SAP社のERPシステムについて見ていくと、徐々に「ABAP」という言葉が登場していきます。
読み進めていくとさらにABAPの重要性が増していきますので、まずはABAPという言葉の意味から理解しましょう。
SAP開発に特化した言語
ABAPとは「Advanced Business Application Programming」の頭文字を取ったものです。
主に、
- SAP製品開発
- SAP製品の構成
などに活用されます。
また、SAP社が独自で開発したプログラミング言語となっており、SAPを開発したり導入したりする際には欠かせないものです。
ABAPがあれば、
- 拡張機能の開発
- 企業独自の機能の付与
などをこなすことができます。
比較的初心者でも勉強しやすい難易度
ただ、あくまでも「SAP専用」のプログラミング言語であるため一般的に学習するようなPythonやHTML・CSSのように知名度は高くありません。
また、汎用性も低いため、これからPythonやHTML・CSSなどの主流プログラミング言語を超えるような言語になっていく可能性は限りなく低いでしょう。
学習難易度も高く、まだまだ学習を完遂した人は少ないです。
しかし、最近ではSAP製品の需要が高まってきており、ABAPの学習需要もそれなりに高まってきています。
これからSAP製品の開発に携わりたい!と考えている方はABAPの学習を進めていくことをおすすめします。
ABAPが注目されている理由
先ほど「ABAPの学習需要が高まっている」とお話しました。
ただ、SAP製品の需要が高まってきているだけではABAPが注目されている理由としては乏しいでしょう。
そこでABAPがここまで注目されるようになった理由についてご紹介していきます。
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SAP導入の増加
皆さんは2025年以降、従来システムを利用し続けると企業に対して膨大な負担が生じることをご存じでしょうか?
これは名もなき専門家が述べているのではなく、経済産業省から発表された理由のあるデータです。
これまで「今まで通りのシステムで問題ない」と高をくくっていた企業も、このデータを見て新しいSAP製品の導入に乗り出すようになりました。
システム交換の難易度は高く、1日や2日でできることではありません。
つまり、ABAPの需要が高まっているのは2025年までにSAP製品の導入を完了させたいという企業が増えてきているからなのです。
駆け込み需要が急激に増大し、ABAPを扱える人材を確保するためにSAP開発企業も駆り出されるようになりました。
もともと、企業が使っているシステムは恒久的に使えるものではありません。
一般的に言われているのは、
- セキュリティ面
- ソフトウェアサポート対応
- ソフトの互換性
などの観点から、定期的に新しく切り替えるのがBESTだというものです。
ただ、BESTといえど「まだ大丈夫」と巣ごもりしている企業が半数以上。
2025年を節目に一気にSAP製品に切り替わりますので、その分ABAPの需要が高まっているのです。
ABAPエンジニアの需要は大きい
さて、ABAPの需要が高まるということはABAPエンジニアの需要も高まるということです。
日本にはABAPエンジニアの数が不足しており、十分にABAPを扱える人材は引っ張りだこ状態。
難易度こそ高めですが、くいっぱぐれることはありません。
SAP専用のプログラミング言語であることがネックとなり、まだまだABAPの知名度が低く知っている人すら少ない状況にあります。
Googleなどで「ABAP 勉強」と検索して頂いてもわかる通り、学習するためのサービスやカリキュラムが完璧に整備されているわけでもありません。
その点が学習難易度を上げています。
学習の障壁が高くなればなるほど学習する人が減少していきますので、ABAPエンジニアは慢性的に不足している状態がここ数年続いています。
この現状を見ると、ABAPエンジニアの需要が高いことがわかると思います。
現実、就活サイトでもABAPエンジニアの求人が沢山出ておりABAPエンジニアになってしまえばここ数年くいっぱぐれることはありません。
ABAPは大きく3つに分けられる
先ほどから「ABAP」という言葉を説明していますが、実はABAPは大きく3つに分けることができます。
それが、
- レポート
- バッチインプット
- Dynpro
の3つです。
①レポート
レポートとは、取得したデータを一覧表示・出力するためのプログラム目的に使われます。
帳票や報告書などの書類を作成するために使われることが多く、
- ユーザーが条件指定をしてからプログラムを実行する
- ユーザーの条件指定を無しで継続的にプログラムを実行する
- プログラムを実行した後、データを更新できる
などの特徴があります。
②バッチインプット
バッチインプットとは、膨大なデータをバッチ処理するために使われます。
毎日、帳票などに手作業で記載している企業に導入して頂きたいABAPになります。
定期的に処理を実行するプログラムを作成してしまえば、企業の業務効率化にもつながります。
③Dynpro
Dynproとは、ユーザーの動きによって画面で対話形式へ遷移するというプログラムを作成するために使われています。
また、対話型画面の開発にも使われたりしています。
ただ、まだまだDynproを使った開発環境は整っていません。
そんな状態ながらABAPの中でも需要は高いプログラムであるため、Dynproを自由に使えるABAPエンジニアは重宝される傾向にあります。
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ABAPを勉強するメリット
ここまで見て「ABAPを勉強したい!」と思われた方も多いと思います。
しかし、いきなり勉強をスタートさせるのではなくABAPを勉強するメリットを抑えておきましょう。
ABAPを使用できるエンジニアは少ない
先ほどもありましたが、ABAPはまだまだ知名度が低く汎用性も低いプログラミング言語です。
そのため、ABAPスキルを重点的に勉強をしているエンジニアは少ない傾向にあります。
やはり、HTML・CSSスキルやPythonスキルなどを勉強しているエンジニアが多いためABAPを十分に活用できるエンジニアが不足しています。
メリットといえるメリットはこの競争率の低さでしょう。
どんな業界でも競争率が低いことは最低条件と言われており、その分ABAPはメリットを満たしているといえます。
SAPを使った案件は増えている
2025年以降、企業への負担が膨大化するという経済産業省の発表を受けSAP製品の開発が次々進んでいます。
SAP製品の開発には欠かせないABAPの需要も高まっているため、これから先ABAPができるエンジニアがくいっぱぐれることはありません。
就活サイトなどで「SAP」と検索して頂くとわかります。
これから就活を進めていく方にはメリットになります。
如何にこのメリットを受けることができるのかだけを考えてみてください。
ABAPの勉強法
まだ知名度が高いとは言えないABAP。
そんなABAPのスキルを学習するためには、どんな初心者向けの勉強方法があるのでしょうか。
webサイトで学習
どれだけ知名度が低いといえど、ABAPのスキルを学習できる初心者向けのwebサービスはたくさんあります。
Googleで「ABAP 学習」と検索してみましょう。
ちなみに、おすすめの初心者向けのABAP学習サイトは「Biz.Online」です。
ここではABAPのスキルを1から学習することができ他にはない初心者向けの有益な情報もたくさん掲載されています。
難易度が高いと感じたら他のwebサイトへ移行することも可能です。
日常的にABAPのスキルを学習したい方は是非活用してみましょう。
書籍での学習
「今時遅い!」と言われるかもしれませんが、ABAPのスキルを書籍で学習する方法もあります。
ABAPは世界的にも活用されているプログラミング言語ですが、まだ日本語対応した書籍は登場していません。
そのため初めてABAPを勉強する方には難易度が高すぎることがあります。
そのため、初心者向けの書籍での勉強は英語が中心になるでしょう。
英語が堪能な方は英語版しかないことはメリットになります。
英語を読める方は是非書籍で最新鋭のABAPのスキル学習環境を整えてください。
その点初心者向けの勉強方法とは言い難く、難易度が高いかもしれません。
ABAPを扱えるエンジニアの将来性
これからABAPエンジニアの需要は急増します。
ただ、それ以降のABAPを扱えるエンジニアの将来はどうなってしまうのでしょうか。
2025年までは明るい
経済産業省の発表にもあった通り、2025年まではABAPエンジニアの将来は明るいでしょう。
需要もあり、供給が多くなっているため案件が取れない…と悩むことはありません。
難易度の高さは需要に比例しますし、メリットもたくさんあります。
中長期的に見るとABAPだけでは不十分
しかし、2026年以降SAP製品への転換が全て完了してしまうとSAP製品の開発はいったん勢いを落とします。
つまり、ABAPエンジニアの需要がそれまでと比べると一気に落ちてしまうのです。
そのため、中長期的な目線で見てみるとABAPだけが扱えるエンジニアに需要はありません。
「ABAPも扱えるけど」他のプログラミング言語も扱えるという状態になれば、かなり強いのではないでしょうか。
一つの言語だけでなく幅広くスキルを身につけよう!
今回はABAPや初心者向けのスキル勉強方法について見ていきました。
ABAPはこれから需要が爆伸びするプログラミング言語ではありますが、2025年以降ABAPだけで生きていくのは厳しくなります。
ABAPだけではなく、幅広いプログラミング言語を身に付けるようにしてください。