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2022.02.26

SIer業界の将来性は?SIerの種類やSEとの違いも解説!

目次

SIer業界はご存じでしょうか。SIer業界にいて業界の将来性が気になる方もいるでしょう。この記事では、SIer業界の将来性について、SIerの概要、種類やSEとの違いを解説します。SIer業界の将来性が気になる方はぜひ参考にしてみてください。

SIerとは

IT業界にいるとよく聞く、SIerという単語があります。SIerの意味は何でしょうか。ここでは、SIer業界について説明します。

システム構築や導入を請け負う会社のこと

SIerとは、システム構築を請け負う会社のことです。SIとは、「システムインテグレーション」のことで、システムの導入から構築まで行うサービスのことを指します。SIerとは、システムインテグレーションを行う人(会社)のことで、システムインテグレーターと言われます。

SIerとSEの違い

それでは、SIerとSEはどう違うのでしょうか。詳しく見てみましょう。

違いは「会社」と「人」

SIerとSEの違いは、「会社」か「人」かの違いです。前述のように「SI」はSystem Integrationの略で、「SIer」は「SI」に「-er」をつけた造語になります。システム構築を請け負う企業のことです。「SE」はSystem Engineerの略で、システムエンジニア(エスイー)のことです。SEは、顧客が望むシステムを考えて、システムを導入構築する人のことです。

SEの仕事内容は以下のようなものがあります。
要件定義
システム設計
システム開発(開発工程)
テスト
システム運用
上記の通り、顧客が必要なシステムを開発して運用する、システム導入の一連の流れを受け持つのがSEです。

SIerの業界構造

SIer業界にはさまざまな種類があります。ここではSIerの業界構造を説明します。

SIer業界は大きく4種類に分類される

SIer業界は大きく4種類に分けられます。

①メーカー系

SIer業界の種類の1つ目は、メーカー系SIerです。メーカー系SIerは、ハードウェア開発会社のシステム開発部門などの、メーカーの特定部門が分離や独立してできたSIer業界です。親会社からの依頼が多く、メーカー系SierのSEは自社の製品のみを組み合わせてシステムを導入できることが他のSIerとの違いです。

例えば、NEC・日本IBM・富士通・日立といった、電機メーカーやスーパーコンピュータを開発している企業の系列の会社はメーカー系SIerです。

②ユーザー系

SIer業界の種類の2つ目は、ユーザー系SIerです。ユーザー系SIerは、企業の情報システム部門が企業から分離や独立してできたSIer業界です。親企業のグループ会社や親企業の仕事を請け負います。それに限らず、ユーザー系SIerのSEは他の企業の仕事も積極的に請け負うことが他のSIerとの違いでしょう。

例としては、通信大手NTTのSIerのNTTデータ、証券会社の野村證券のSIerのNRI(野村総合研究所)、総合商社である伊藤忠のSIerの、伊藤忠テクノソリューションズなどが挙げられます。他にも、新日鉄住金ソリューションズやSCSKなどもユーザー系SIerに当たります。

③独立系

SIer業界の種類の3つ目は、独立系SIerです。親会社や他の企業に属さずに、システムインテグレーションのため設立された会社が独立系SIer業界に当たります。大企業から中小企業まで、規模はさまざまです。

例としては、大塚商会・富士ソフト、トランスコスモスなどが挙げられます。

④外資系

SIer業界の種類の4つ目は、外資系SIer企業です。外資系は海外に拠点をおく、IT企業やコンサルタント企業が中心です。グローバル規模の仕事が多いことが特徴です。外資系は要件定義や導入、いわゆる上流工程を行い、開発や運用などの下流工程は他の企業へアウトソーシングすることが多いことも他のSIerとの違いです。

例としては、SIerとしてはOracle・シスコシステムズ、SAPなどが挙げられます。コンサルタント企業としてはアクセンチュアなどが当たります。他にも、アメリカやインド発の外資系やコンサル系企業があります。

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SIer業界の仕事内容

SIer業界の仕事内容はどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、SIer業界の仕事内容の種類について詳しく説明します。

戦略設計・要件定義

戦略設計とは、ヒアリングなどで顧客の課題を分析してどのように改善するか戦略を立てることです。そして、改善案を設計します。

戦略設計が終わると、どのように機能を実現するか、要件定義をします。要件定義では、顧客の課題をクリアするためにどのような機能やスペックを入れれば良いかを決めるフェーズです。このフェーズは後々の工程の方針を決めるものでもあり、設計や開発に深く関わってきます。慎重に行いましょう。

設計・開発

SIer業界の仕事内容の2つ目は、設計・開発のフェーズです。実際に、システムをどう作るかの段階です。設計には、大まかなフレームを作る基本設計と、細かい機能を設計する詳細設計があります。

機能の設計が終わると、実際にシステムを組み立てる、開発工程に入ります。SIerは、上流工程である設計までを担当することが多いです。開発工程からは、プログラマーが担当します。

運用・保守

SIer業界の仕事内容の3つ目は、運用・保守です。日々システムを安定して動作させることを運用することを言います。ソフトウェアのアップデートを行ったり、ネットワークの監視なども行います。保守では、障害が起こった際に対応したり、メンテナンスや修理などの対応をします。

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SIer業界の問題

SIer業界の仕事内容については説明しましたが、SIer業界で問題となっていることは何があるのでしょうか。ここでは、SIer業界の問題について詳しく説明します。

下請け構造

1つ目は、下請け構造が問題となります。大手のSIerは大型案件の場合、下請け企業に仕事を頼みます。頼まれた下請け企業は、孫請け企業に仕事を頼みます。このように、下請けの企業や孫請けの企業に仕事が流れていくことは「ITゼネコン」と呼ばれます。

この下請け構造の場合、下請けや孫請け企業はお客様の顔が見えず、仕事のやりがいを感じづらかったり、決められたスケジュールで決められた仕様のものを納品する必要があるため納期に追われる、下請け企業に頼むごとに受注金額が下がっていき利益が出にくい、といった問題が生じます。

人材不足

2つ目は、人材不足です。IT業界は10年以上も前より人材不足が問題となっています。特に、少子高齢化から多大な影響を受けているといえるでしょう。人材の不足に反してIT業界は日々拡大しているためSIer企業は優秀な人材を確保する必要があり、人材不足に悩まされるのです。

年功序列

3つ目は、年功序列です。IT業界のほとんどは成果主義ではなく、年功序列です。安定して働ける反面、活躍したからといって成果主義を期待しない方が良いでしょう。

SIer業界が将来性なしといわれる理由

SIer業界は将来性なしといわれています。ここでは、その理由を詳しく説明します。

クラウドサービスの台頭

将来性がないと言われる理由の一つは、クラウドサービスの台頭が挙げられます。クラウドサービスが普及することによって、システムが「新しく作るもの」ではなく「あるものを組み合わせて利用するもの」となったからです。自社にサーバを置いてシステムを組むより、Saasなどのサービスを利用した方が安価なため、クラウドサービスを利用する企業が多くなっていることが原因です。

ITスキルが身に付きづらい

将来性がないと言われる理由の2つ目は、ITスキルが身に付きづらいことです。SIer業界のSEは技術職ではないため、ITスキルは使用しないことも多く他でも通用数rスキルが身に付きません。なぜかというと、要件定義やヒアリングなど顧客の対応が多いからです。開発や運用などITスキルが必要な工程は、下請けへ委託します。そのため、ITスキルが身に付かないことが原因の1つでしょう。

グローバル展開が難しい

将来性がないと言われる理由の3つ目は、グローバル展開が難しいことです。SIer業界は日本独特の業界で、海外に同じ構造を持つ業界はありません。海外企業は自社に情報システム部門を持ち、SIerの需要がないためです。そのためグローバルに展開することができず、将来性がないと言われます。

SIer業界は完全にはなくならない!スキルを磨き続けよう!

Sier業界の概要と種類、将来性、SEとの違いについて説明しました。

SIer業界は将来性がないとも言われますが、国内では需要があるためなくなるかもしれないという心配はいりません。日本では今後も自社内にシステム開発部門はおかずに、SIerに外注する可能性が高いため、技術力のあるSIerは業界に残るでしょう。また、上流工程のマネジメント経験からプロジェクトマネージャーへ転身する方法も残っています。

ITスキルを身につけたい場合であれば、スクールで学んだり新たな言語を学んだりして、ITスキルを磨き続けましょう。

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