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2022.02.26

IT業界の客先常駐(SES)とは?働き方のメリットとデメリットを解説!

目次

IT業界にいると、「SES」という言葉をよく聞きます。SESとは、「客先常駐」のことです。それでは、客先常駐とは何でしょうか。この記事では、客先常駐の概要から働き方のメリットとデメリットを解説します。ぜひ理解を深めましょう。

IT業界でよく聞く客先常駐(SES)とは

IT業界にいると、よく「客先常駐」という言葉を耳にします。客先常駐とはどういった働き方でしょうか。ここでは、客先常駐の働き方の概要について説明します。

「会社から派遣されて、別企業で働く」働き方

「客先常駐(SES)」とは、 IT業界で、「会社から派遣されて、別企業で働く」働き方で、「SES」と呼ばれます。IT業界の勤務形態の一つのため、自身が所属する会社や契約形態に変わりはありません。

客先常駐の働き方のエンジニアは、基本、客先へ直接出社してそのまま仕事をし、帰りも直接自宅へ帰ります。自社に寄ることはほとんどありません。

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IT業界で客先常駐が多い理由

それではなぜIT業界で客先常駐(SES)の働き方が多いのでしょうか。詳しく見てみましょう。

コミュニケーションがとりやすい

理由の一つに、コミュニケーションが取りやすいことが挙げられます。近年はリモート会議のツールも普及してはいますが、一番確実に伝えられる方法は「対面」です。対面だと会議の時間を気にしたり文章を考える必要もなく、スピードが早い点も特徴です。

また、開発メンバー同士のコミュニケーションも重要です。IT業界の開発にはチームワークが必要になるため、チームメンバーが客先で集まることで全員でミーティングもしやすくなるのです。

セキュリティ保護

2つ目の理由は、個人情報などのセキュリティを保護するためです。IT業界のシステム開発では、業種により絶対に漏れてはいけない情報が多く存在します。個人情報や、業務内容です。特に個人情報が外に漏れると大きな問題となります。

しかしシステム開発では、実際のデータを見なければ開発できないことも多々あります。このような情報が外部に漏れないように、IT業界では客先常駐の働き方が多くなるのです。

雇用リスクをおさえるため

理由の3つ目は、発注会社が雇用リスクを抑えるためです。IT業界のシステム開発の期間は、一時的なものの場合が多くあります。そのような中で正社員としてITエンジニアの雇用をすると、社員の人件費や社会保険年金などのコストが発生します。大規模なシステムになればなるほど、一時的な期間の開発のために正社員としてITエンジニアを雇う余裕がない会社が多くあります。そのため、客先常駐の働き方はITエンジニアにとって基本的な勤務形態なのです。

IT業界で客先常駐するメリット

IT業界でエンジニアが客先常駐(SES)の働き方をするメリットには何があるのでしょうか。詳しく見てみましょう。

様々な経験を積める

客先常駐(SES)のエンジニアは、長期間かけてさまざまな会社へ赴きます。そのため、各ITシステムで使用されている言語やフレームワークを習得することができることがメリットです。自社内だけでは得られない経験ができます。

また、ITの上流工程から携わっている案件があればプロジェクトマネージャの経験も積める可能性もあります。さまざまなITスキルや経験を積めることもメリットの1つです。

客先での出会いから新たな仕事につながる

メリットの2つ目は、客先での出会いから新たな仕事につながる可能性があることです。客先常駐では、現場が変わるごとに同じITエンジニアのメンバーや顧客の担当者までさまざまな出会いがあります。ここでいい関係性を築ければ、今後仕事を頼まれるチャンスも広がるでしょう。

未経験でも入社しやすい

メリットの3つ目は、未経験でもIT業界に入社しやすい点です。中小規模のSIerは、常に人材が足りず「未経験歓迎」の募集をしている企業が多くなります。そのため、IT業界や開発が未経験でも比較的入社しやすいでしょう。未経験でもIT業界にの企業に入社できることは大きなメリットと言えます。

IT業界で客先常駐するデメリット

IT業界で客先常駐する場合、メリットの逆にデメリットもあります。詳しく見てみましょう。

十分な教育を受けられない可能性がある

客先常駐の会社の場合、十分なITの教育を受けられない可能性があります。顧客からすると、即戦力のSEが求められています。しかし客先常駐の会社の場合、案件のためのIT教育を行っている会社はほぼありません。そのため、わからない点は質問する、自ら調べるなど、必要な情報を自ら調査していくことが重要になります。

給料が上がりにくい

デメリットの2つ目は、給料が上がりにくいことです。客先常駐のエンジニアは契約期間が決まっているため、同じ職場で役職が上がっていくといった昇給制度がありません。ITシステムの開発案件やテスター案件といったように、仕事内容により単価も違います。自身でスキルアップのための行動を起こさなければ、ずっと同じような仕事内容の案件ばかりで給料が上がらないことが有り得るでしょう。

マネジメントなどのスキルが身に付きづらい

マネジメントなどスキルアップがしづらいという点もデメリットです。IT業界の客先常駐の会社でスキルアップできるかどうかは、派遣先によるからです。客先が大手企業の場合は、ITシステム開発の上流工程から受け持つことができる可能性もあります。その場合は、IT系の受託企業へ転身しキャリアアップも可能でしょう。

ただし、テスターや運用などITの下流工程を受け持つ会社ばかりの場合もあります。その場合はIT系でのスキルアップが計れず、マネジメントなどのスキルが身につきづらいことがデメリットです。

自社への帰属意識が高まらない

デメリットの4つ目は、自社への帰属意識が高まらないことです。せっかく入社したにも関わらず、客先企業にばかり向かっていると、会社の社員の顔もわからずコミュニケーションも取れず、自社への帰属意識が薄くなる可能性があります。

その場合、モチベーションの低下も起こりやすく、愛社精神も育たないでしょう。最悪の場合仕事にも影響する可能性もあります。

プライム案件でないと地位が低いことも

デメリットの5つ目は、プライム案件でない場合は地位が低いこともあり得るということです。プライム案件とは、顧客企業と直接契約を結んだ案件を言います。いわゆる一次請けです。客先常駐(SES)の会社の場合は、二次請けや三次請けの場合も多くあります。下請けの場合は、主にITの下流工程を担うため発言力がなかったり、要望も受け入れられなかったりといったデメリットがあります。

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客先常駐エンジニアの注意点

客先常駐エンジニアは客先に常駐するスタイルのため、いくつか注意点があります。詳しく見てみましょう。

常駐先のルールに従う

1つ目は、常駐先のルールに従うことです。客先に入る前にルールの研修や説明があると思います。伝えられたルールは絶対に守りましょう。そのほか、ルールがわからなければチームのメンバーに確認しても構いません。ルールの把握に努めることが重要です。

特にセキュリティや就業ルールは重要です。必ず確認して遵守しましょう。

勝手に判断しない

2つ目は、仕事上のことを勝手に判断しないことです。客先常駐(SES)の会社の社員は立場上、判断できない点が多々あります。特に、ITシステムの仕様上のことや、開発の作業に関わることは、開発のコストに影響し、予定していた金額との相違が出る可能性もあるためチームのマネージャや派遣先の人に確認しながら進めましょう。

設計書を確認する、コーディング規約書などを遵守する、エビデンスの取得方法などを確認するなど、開発上少しでも疑問があれば「まあいいや」と思わずすぐに確認するようにしましょう。

IT業界の客先常駐にはメリットもある!

IT業界のなかで労働環境が過酷だったり、ブラックというイメージでデメリットが強い客先常駐(SES)ですが、様々な経験を積めたり新しい仕事を頼まれたりといったメリットもあります。

ただしスキルアップには自身の努力が必要不可欠でしょう。また、立場が弱い面もあるため客先で常駐して仕事をする上では注意点もありました。

客先常駐(SES)の性質を理解して、メリット・デメリットを考慮して有効にスキルアップを目指しましょう。

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