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2022.04.06

モダナイゼーションとは?マイグレーションとの違いや成功のポイントを伝授!

目次

モダナイゼーションとはITシステムを刷新することで、DX化や業務効率化に有効です。モダナイゼーションに取り組みたいが方法が分からない方もいるのではないでしょうか。ここでは、モダナイゼーションの概要・方法・成功のためのポイントを説明します。

モダナイゼーションとは

「モダナイゼーション」という言葉をご存じでしょうか。モダナイゼーションは、今後DXを進めるためにも必要なものです。それではモダナイゼーションとはどのようなことなのでしょうか。ここでは、モダナイゼーションの概要と、似た言葉としてマイグレーションとの違いを説明します。

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ITインフラを最新のものへ刷新すること

「モダナイゼーション」は、英語の「モダン」が語源で、「近代化」「現代化」という意味です。特にIT分野においては、「業務で使用するシステムやITツールなどのITインフラを最新のものへ刷新すること」を指します。

業務システムや基幹システムなどのITシステムは、「ハードウェア」「ソフトウェア」「各種データ」から構成されています。モダナイゼーションはこれらの要素を刷新し、業務に最適化していきます。

マイグレーションとの違い

マイグレーションとは、「移行」という意味であり、既存システムを別の環境に移行させたり、新しい環境に切り替えたりすることです。モダナイゼーションとマイグレーションの違いは何でしょうか。詳しく説明します。

マイグレーションは既存システムの構造は変更しない

モダナイゼーションは既存のシステムやIT資産を活用し、システムを最適化することに対して、マイグレーションは既存システムの構造は変更せず、既存システムの構造を別のシステム上で再現してデータの意向などを行うことを言います。マイグレーションは、例えばオンプレミスの環境をクラウドの環境に移行することなどが挙げられます。

モダナイゼーションが注目される理由

なぜ、モダナイゼーションが注目されているのでしょうか。モダナイゼーションの背景にある、レガシーシステムにも着目して詳しく説明します。

DXレポートの「2025年の崖」

「2025年の壁」は、2018年、経済産業省がまとめた「DXレポート」のタイトルのことで、企業が危機意識を持つきっかけとなったものです。

「2025年の壁」とは、企業が使用している業務システムなどのITシステムの老朽化やブラックボックス化することにより使いづらくなり、企業の競争力を落とし経済損失を与える問題のことです。企業が適切なDXを進められないことで、2025年以降に最大で12兆円の経済損失を生じるリスクがあると言われています。

原因としては、レガシーシステムが挙げられます。レガシーシステムとは、システムの導入から長い期間がすぎており、現状の環境には適応しているが拡張性が不十分なシステムのことを言います。

レガシーシステムは業務改正に伴うバッチ修正などで場当たり的にカスタマイズされ、複雑化やブラックボックス化が進み、刷新も難しくなってしまいます。そのため、既存のシステムを最適化するモダナイゼーションが重要になるのです。

モダナイゼーション実行のための3種類の方法

それでは、モダナイゼーションを実行する方法はどのようなものがあるのでしょうか。モダナイゼーションを実行する方法は、リプレース・リライト・リホストの3種類あります。ここでは、3種類の方法を解説します。

①リプレース

リプレースとは、既存の機器やシステムを全く新しいシステムに刷新する方法です。これまで運用してきたレガシーシステムの負の部分を引き継がないために、業務プロセスを見直したうえでのシステムの再構築が必要になります。

メリット

リプレースのメリットは、業務プロセスを見直すことにより新しく理想的な業務運用体制を確立でき、新しいビジネスモデルに対応できることです。生産性の向上や、業務効率化が得られます。

デメリット

リプレースのデメリットは、業務プロセスの見直しによって、全システムの刷新が必要になるため初期コストが高いことと、業務プロセス改善による影響範囲が広いことです。

②リライト

モダナイゼーションのリライトとは、既存システムの機能や仕様はそのままで、古い言語を新しい言語に書き換えることで新しい開発環境に移行する方法のことです。

メリット

リライトのメリットは既存のITリソースを利用し、新しい開発言語により拡張性を得られることでリプレースよりコストを抑えて新しいビジネスモデルに対応できることです。

デメリット

リライトのデメリットは、既存のレガシーシステムがどのように動作しているのかを詳細まで把握する必要があることです。漏れが発生した場合は、レガシー機能が残る可能性もあり保守性も低下します。

③リホスト

モダナイゼーションのリホストとは、サーバーやOS・ミドルウェアなどのITインフラを刷新したり、仮想化することによりレガシーシステムの延命措置を取る方法のことです。言語やプログラムなどのソフトウェアには触れません。オンプレミスからクラウドへの移行もリホストです。

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メリット

リホストのメリットは、クラウド化することによりコスト面での負担も少なく最適化でき、現行の事業継続計画にも有効です。

デメリット

リホストのデメリットは、ソフトウェアはレガシーなものがそのまま残るため、最新のビジネスモデルに対応できなかったり最新技術を組み込めない場合があることです。

モダナイゼーションを成功させるために

それでは、モダナイゼーションを成功させるためにはどのようなことが必要なのでしょうか。詳しく説明します。

初期段階の分析を丁寧に行う

モダナイゼーション成功にあたって必要なことの1つ目は、初期段階のレガシーシステムがどのように構築されているのか、運用方法はどのようになっているのかを丁寧に分析することが重要です。現行のシステムの分析に漏れがあると、予定していたスケジュールが遅延したり、システム稼働後の運用コストや追加費用の増大に繋がります。モダナイゼーションの成功のために、モダナイゼーションの初期段階でのレガシーシステムの把握はしっかり行いましょう。

堅実なプランを立てる

モダナイゼーションを成功させるために必要なことの2つ目は、堅実な計画を立てることです。計画を蔑ろにして早急に進めると、現場の開発体制が伴わなかったりコストが増大したりと、モダナイゼーションが失敗してしまう可能性があるからです。もし全てのシステムの刷新が難しい場合は、段階的に拡張したり、リホストから始めたりするのが成功のポイントです。

基幹システムを理解する

モダナイゼーションを成功させるために必要なことの3つ目は、基幹システムを理解することです。基幹システムは、全てのシステムがその企業用にカスタマイズされて開発されていたり、ERPパッケージが導入されていたり、企業によりさまざまです。

中でも、帳簿システムや他システムと連携するシステムの場合は、第三者の特殊なプログラムが組まれていることも多く、システムの把握をしておかなければモダナイゼーション後にトラブルが発生したりうまく連携できなかったりする場合があります。モダナイゼーションをする場合は、既存の基幹システムについてよく理解した上で取り組みましょう。

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万全な準備のもとモダナイゼーションへ着手しよう!

モダナイゼーションの概要、マイグレーションとの違い、注目される理由や、モダナイゼーションの3種類の方法を説明しました。モダナイゼーションを成功させるためには、既存の基幹システムを隅々まで理解し、計画を立て、段階的に実行していくことが有用です。モダナイゼーションにはリプレース・リライト・リホストがありますが、一番のおすすめは全てのシステムを刷新するリプレースです。適切にモダナイゼーションを実施して最新のビジネスモデルを取り入れ、生産性の向上・効率化に取り組みましょう。

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