2022.04.20
SAPの2027年問題とは?S/4HANAへ移行するメリットをチェック!
目次
皆さんはSAPの2027年問題をご存知でしょうか。
SAP ERP 6.0が2027年でサポートを終了することを発表しており、それ以降のDXの実現に向けてユーザーはそれぞれ転換期を迎えます。
そこで今回は2027年問題についてみていきます。
SAPの2027年問題とS/4HANAについて解説
今回はSAPの2027年問題とS/4HANAについて解説を進めていきます。
SAPの2027年問題とS/4HANAについては2027年以降も考えなければならない問題として挙げられていますので今のうちに理解を深めておきましょう。
SAP ERPとは
まずは、SAP ERPについてみていきます。
SAP ERPは世界的にもシェア率が高くSAP ERPを利用しているユーザーも多いのではないでしょうか。
日本国内で約2,000社が導入
そんなSAP ERPですが日本国内で約2,000社が導入しています。
日本だけでなく世界中の企業がSAP ERPを中心としたSAP社の製品を活用しつつ日々業務を行なっているのです。
SAPの2027年問題とは
世界的にも利用されているSAP社の製品ですが、そんなSAPの2027年問題が浮上してきています。
SAPの2027年問題とはSAP社のERPサポートが終了する問題のことを指しますが、一体どこが問題となっているのでしょうか。
SAP社のERPのサポート終了
SAP社が提供しているERPや「SAP Business Suite」などのサポートが2027年で終了することが明らかになりました。
そのため、2027年までにSAP社のERP製品を利用しているユーザーはSAP社以外の製品に乗り換えるかサポートなしで利用を継続するかのどちらかの判断をしなければなりません。
もともとは2025年に終了すると言われていたことから「2025年問題」と言われていましたがサポート対象期間が延長され2027年になりました。
SAP社では2%の延長保守料を支払えば2027年ではなく2030年までに期間を伸ばすこともできますが3年間だけ寿命が延びたのと同じことです。
2027年問題の根本的解決には繋がりません。
SAP社推奨の3システムランドスケープとは?定義や移送方法も確認!
サポート終了の製品
2027年問題でのサポート終了の製品は、
ERP「SAP ERP 6.0」
SAP Business Suite
などの標準的サポートになります。
延長することも可能ではありますが、延長できる商品はエンハンストパッケージ(EHP)6以降が適用されているERP 6.0のみとなっています。
それ以外の製品については2025年でサポートが終了することになっています。
2027年問題とともに企業が取り組むべきこと
では2027年問題とともに企業が取り組むべきことについてはどのようなものがあるのでしょうか。
まずはコアのERP業務用途範囲でしょう。
業務用途範囲が移行した先の製品に対応できるのかどうかは非常に重要な検討材料であり、範囲に対応できない場合は移行すべきではありません。
また、DX推進についても考えなければなりません。
2025年までにはDX推進を行う必要があり、それに伴い2027年問題についても考える必要性があるでしょう。
兎にも角にも企業はDXについて検討すべき時期にきています。
SAPの2027年問題への対処法3つ
SAPの2027年問題は必ずやってくる確定事項ですので、モタモタしていられません。
5年後の話とはいえ、企業全体がDXやSAPの2027年問題へ対応していくためにはそれなりの期間を要します。
SAPの2027年問題への対処法をご紹介しますのでできるだけ早く取り掛かるようにしましょう。
①SAP S/4HANAへの移行
まずSAPの2027年問題への対処法はSAP S/4HANAへの移行です。
このSAP S/4HANAへの移行が2027年問題の対処法としてポピュラーなものであり、一般的にユーザーが採用すべき方法です。
SAP S/4HANAへの移行方法としては、
コンバージョン方式
リビルド方式
の2つがありますが、それぞれに特徴がありますのでSAP S/4HANAへ移行する前にどちらの方式を採用すべきかを検討してください。
②SAP ERPの継続利用
次のSAPの2027年問題への対処法はSAP ERPの継続利用です。
この方法はコストカットをしたい企業におすすめできる方法でサポート期間が終了してもSAP ERPを利用し続けることは可能です。
ただ、SAP ERPに万が一のことがあってもサポートを受けることができません。
特にERPシステムのマイグレーションに関しては、
データの破損
データの消失
データの不具合
などのリスクが散見されますので、SAP ERPへ移行するユーザーも多くなってくるでしょう。
コストカットをするかSAP ERPのサポートが切れるまで利用してそこからシステムを移行するかの二択です。
③そのほかのERP製品を導入
もし2027年問題に対してのこだわりがない場合は、そのほかのERP製品を導入してしまうのも1つの方法です。
SAP社が提供している製品は全て世界トップシェアを誇っている優れたソリューションであるため、別の製品を導入しても使い勝手はあまり変わりません。
ただ、「SAP社が提供しているから」という単純な理由で製品を乗り換えることはおすすめできません。
自社の経営体制や事業形態などを加味した上でシステムを導入する必要があり、SAP社の製品だから乗り換えるなんてことのないようにしましょう。
SAP S/4HANAへの移行
では2027年問題を解決に導くであろうSAP S/4HANAへの移行についてさらに深掘りをしていきます。
SAP S/4HANAへの移行について移行方式やその他について解説を進めていきます。
代表的な移行方法
まずSAP S/4HANAへ移行する際に代表的な方法が2つあります。
先ほどもご紹介しましたがさらに深く掘り下げて解説をします。
コンバージョン方式
まずはコンバージョン方式です。
コンバージョン方式とはSAP ERPのアドオンプログラムやカスタマイズ設定を利用して、そのままデータを移行する手法のことを言います。
コンバージョン方式を利用するユーザーは多く、データを破損させる危険性もないためおすすめできる方式です。
マイグレーションとは?コンバージョンとの違いやシステム移行の手法を紹介!
リビルド方式
次はリビルド方式です。
リビルド方式とは0からシステム要件を定義して新しく環境を構築する方法のことを言います。
リビルド方式は費用がかかりますし0からシステムを構築するので時間もかかります。
あまりおすすめできる方法ではありませんが現行システムに不備が多い場合は一新してリビルド方式を利用することも検討しましょう。
BLUEFIELD
次はBLUEFIELDです。
BLUEFIELDとはSNP社の製品を利用する方法です。
データとシステムをいったん分解し、システムから先にSAP S/4HANAへ移行をすることができる方法になります。
差分管理機能を利用しつつデータの移行ができますのでダウンタイムを0に抑えることができるのが特徴です。
SAP S/4HANAへの移行するメリット
2027年問題を解決に導く手法としてSAP S/4HANAへの移行することが挙げられますが、メリットにはどんなものがあるのでしょうか。
環境を変えず運用ができる
まずメリットは環境を変えず運用ができることです。
構成やデータはそのままにして移行することができますので環境を変える必要はありません。
変わるのはインフラだけです。
リソースの増減ができる
次のメリットはリソースの増減ができることです。
運用効率がUPしますのでシステム要件に応じて柔軟にリソースを増減させることが可能です。
インフラコストの適正化
次のメリットはインフラコストの適正化です。
先ほどのリソース増減に付随するものがありますが、インフラコストが適正化されることもメリットの1つとして挙げられるでしょう。
SAP S/4HANAへの移行するデメリット
しかしSAP S/4HANAへの移行するデメリットもいくつかありますので学んでおきましょう。
新しい技術者が必要
まずデメリットは新しい技術者が必要になることです。
SAP S/4HANAへの移行はクラウド基盤に長けている人材が必要になりますので、採用費用がかかってきます。
システム設計・運用が必要
次のデメリットは、システム設計・運用が必要なことです。
もちろん現行システムを移行させますのでシステムや運用の設計が必要になり、リソースもその分必要になってきます。
技術者だけでなくリソースも必要になってきますので余力のある時に進めていきたいものです。
2027年問題に備えた準備をしよう
2027年問題は必ず訪れるものですので今のうちから2027年問題対策を練っておくべきでしょう。
企業のDX問題も2027年問題に付随してついてきますので、企業の一新化が必要になるかもしれません。