2022.03.19
マネージドクラウドの定義を確認!アンマネージドとの違いや主な種類は?
目次
IaaSやPaaS、SaaSといったクラウドサービスがありますが、皆さんはマネージドクラウドの定義について理解をしていますか?
初期設定や日常的な管理を全てサポートしてくれるマネージドクラウドですが、定義について理解を深めておくことが大事です。
そこで今回はマネージドクラウドの定義について見ていきます。
マネージドクラウドについて解説
まずはマネージドクラウドについて解説していきます。
マネージドクラウドとは、一般的に提供されているクラウドサービスの形態の1つであり、システムとしてのクラウド機能にプラスアルファして、
導入
運用
監視
サポート
などを全て丸っと請け負うサービスのことをマネージドクラウドといいます。
クラウド事業者が提供しているクラウドサービスを使いこなせない場合などにマネージドクラウドを使うことが多いです。
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マネージドクラウドの定義
では本題のマネージドクラウドの定義について解説していきます。
マネージドクラウドは直訳すると「管理されたクラウド」という意味になり、そのまま定義として定着しそうなものです。
しかし、マネージドクラウドの定義については少々難しい事情があるのです。
唯一の定義はまだない
実はマネージドクラウドの唯一の定義はまだありません。
というのも、マネージドクラウドは幅広く使われている言葉であり「これ!」と言った定義を持たないのです。
例えば、
稼働リソースの上限を超えると通知が来るようにするシステムの開発
AWSなどのクラウドサービス事業者が提供している基盤
のことをまとめてマネージドクラウドと言ったりします。
実際にマネージドクラウドを日常語として使っているIT業界の人たちもマネージドクラウドについての定義を明確化できていないのが現状です。
そのため、マネージドクラウドについての定義は人それぞれの解釈に委ねられることになります。
クラウド事業者のサービス
定義こそありませんが、マネージドクラウド事業者のサービスは明確化されています。
そのマネージドクラウド事業者のサービスについて2つご紹介します。
システム導入・運用
まずはシステム導入・運用です。
クラウドサービスを購入したもののどうやってシステムを導入すればいいのかがわからない事業者に向けてサービスを展開します。
また、導入後の運用も代行することもあります。
コンピュータ障害監視
続いてのマネージドクラウドのサービスはコンピュータ障害監視です。
クラウドサービスを導入してから何かしらのエラーが発生していないかどうかを監視するサービスもあります。
一般的には「保守管理」と呼ばれるサービスです。
クラウド事業者の基盤そのものを指す場合も
また先ほどもありましたが、マネージドクラウド事業者の基盤そのものを指す場合もあります。
例えば、「AWS」などが挙げられるでしょう。
これはクラウドサービスを提供している事業者が提供している基盤となりますが、これらをまとめてマネージドクラウドと定義することもあります。
マネージドクラウドは曖昧な定義ではありますが、IT業界ではその通例が通っていますので今からマネージドクラウドの明確な定義を決めることはしないでしょう。
マネージドクラウドを利用したシステムの構成物
ではここからはマネージドクラウドを利用したシステムの構成物について解説していきます。
実際にマネージドクラウドを利用したシステムにはどういった構成物があるのかをここで見ておきましょう。
ハードウェアやOSなどの設備
まずはハードウェアやOSなどの設備です。
クラウドサービスの多くでは、
物理基盤
ハードウェア
サーバーOS
などを含んでいる仮想化基盤を提供しています。
システムを使用する際の主要設備となりますので、100%ハードウェアやOSなどの設備は提供されているといっていいでしょう。
独自のアプリケーション
続いては独自のアプリケーションです。
クラウドサービス独自のアプリケーションが提供されており、クラウド上で構築されています。
多くのアプリケーションがクラウド上で構築されているアプリケーションになりますので、大きな違いはありません。
接続するネットワーク
続いては接続するネットワークです。
接続するネットワーク以外にも、
コンピューティングリソース
ネットワークリソース
ストレージの管理
などもクラウドサービス提供者側が受け持っています。
接続する端末
続いては接続する端末です。
今までご紹介してきたものを接続する端末もクラウドサービスが提供していることが多いです。
「構成物」になるかどうかは人それぞれですが、接続する端末も提供されていることを憶えておきましょう。
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マネージドクラウドの種類
では続いてマネージドクラウドの種類について解説していきます。
マネージドクラウドの種類は大きく分けて3つあります。
IaaS
まずはIaaSという種類です。
IaaSとは、
コンピューティング
ストレージ
のために必要なインフラを提供しているマネージドクラウドサービスの形態のことを指します。
例えば、
仮想マシン
仮想ネットワーク環境
などはIaaSという種類に該当します。
PaaS
続いてのマネージドクラウドの種類はPaaSという種類です。
PaaSとは、
アプリケーション
システム
を構築する際に必要なプラットフォームを提供しているマネージドクラウドサービスの形態のことを指します。
アプリケーションの他にもオペレーティングシステムやミドルウェアなどもPaaSに含まれており、意味合いは幅広いものがあります。
ただ、IaaSとPaaSの種類分けが難しいという声が多いのですが
PaaS:ソフトウェア
IaaS:ハードウェア
のようなものを提供していると憶えておきましょう。
SaaS
続いてのマネージドクラウドの種類はSaaSという種類です。
SaaSとは、アプリケーションを丸ごと提供しているマネージドクラウドサービスの形態です。
SaaSは、PaaSが提供しているアプリケーションソフトウェアも含まれており、
仮想デスクトップ
メールサービス
などがSaaSの種類に該当します。
アプリケーション関連はSaaSと覚えておくといいでしょう。
マネージドとアンマネージドの違い
マネージドクラウドの種類や定義について解説してきましたが、一方でアンマネージドクラウドというものがあるのをご存じでしょうか。
マネージドクラウドとは「アン」という言葉が付いているかそうでないかの違いではありますが、マネージドクラウドとアンマネージドクラウドの違いについて解説していきます。
マネージドの特長
まずマネージドの特長・違いから解説していきます。
マネージドの特長例としては、クラウド事業者が管理するオペレーティングシステムが挙げられます。
PaaSではクラウド事業者が担当すべき保守作業についても全て請け負ってくれるため、利用者の作業負担は軽減されます。
ただ、それ以上のコミュニケーションツールなどを導入する場合はマネージドでは対応しきれないところがあります。
アンマネージドの特長
先ほどのマネージドの特徴に+して、アンマネージドでは
準備
インストール
設定
などが必要になってきます。
アンマネージドの言葉の通り「管理しない」という意味がありますので、マネージドとは対応範囲の違いがあります。
さらに、SaaSではコミュニケーションツールなどが提供されていますが、
利用方法
ツール上のデータ管理
などは利用者が全て請け負うことになっています。
アンマネージドとマネージドではこういった違いがあるのです。
IaaSの場合
違いについて解説しましたが、IaaSの場合について解説していきます。
IaaSの場合では、
オペレーティングシステムまでの作業範囲:マネージド
ソフトウェアの更新やセキュリティパッチの適用:アンマネージド
となります。
PaaSの場合
PaaSの場合では、
ソフトウェアの保守作業:マネージド
システムのインストールや設定:アンマネージド
となります。
SaaSの場合
SaaSの場合では、
Webブラウザで利用するコミュニケーションツール:マネージド
利用方法やツール上のデータ管理:アンマネージド
となります。
マネージドクラウドはシステム移行先によって事業者を選ぼう
今回はマネージドクラウドの定義や種類、アンマネージドとの違いについて解説していきました。
色々なマネージドクラウドがありますが、もし利用する場合は違いが色々ありますのでシステム移行先により事業者を選定することをおすすめします。
例えば、
IaaS
PaaS
SaaS
のどれを構築・移行するのかによって事業者を選定する必要があります。
また、マネージドクラウドなのかアンマネージドクラウドなのかについても事業者の選定判断や違いについてを自分で決めなければなりません。
色々なサイトを参考にしながらどのマネージドクラウドを導入するのかを決めましょう。