2022.04.30
SAPのアドオン開発とは?開発の種類やカスタマイズとの違いを知ろう!
目次
皆さんはアドオン開発をご存知でしょうか。
何かを追加開発する際に使われるアドオン開発という言葉ですが、SAPの場合のアドオン開発とはどんなものを指すのでしょうか。
そこで今回はSAPのアドオン開発やカスタマイズとの違いについて解説します。
SAP社のERPアドオン開発について解説
今回はSAP社のERPアドオン開発について解説していきます。
ERPを開発するにあたって開発費用を抑えることは大事です。
もちろん、アドオン開発はシステムの複雑化や管理負担の増加などの問題がありますのでなるべく避けるべきものです。
しかし、SAP社のERPアドオン開発がなくならないのには色々な理由があります。
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アドオン開発とは?
まずはアドオン開発について学んでおきましょう。
アドオン開発とはどんな開発のことを言うのでしょうか。
アドオンとは
システム設計や開発を進める際に使われるアドオン。
アドオンとは、すでに導入しているソフトに対して新しい機能を追加することを言います。
一般的にアドオンは「機能拡張」と呼ばれることも多く、システムがどんどんグレードアップしていきます。
そのため、アドオンは欠かせないものとなっているのです。
では具体的にどんなアドオンがあるのでしょうか。
帳票の機能拡張
まずは、帳票の機能拡張です。
ERPは各システムと連携をしており、帳票の作成を自動的に行うことが可能です。
しかし、パッケージにデフォルトで導入されている機能では自動化に対応できていないことがあります。
その際に帳票の機能拡張が役立つのです。
画面表示を見やすく
次は、画面表示を見やすくします。
システムによってERPの管理画面の表示方法がバラバラですので、統一性がありません。
普段使っている管理画面表示へ変換することができます。
インターフェースの確認
次は、インターフェースの確認です。
システムと連携することがERPの目的の1つですので、アドオンを使って様々なシステムと連携させることが必須です。
開発負担については連携先のシステムによりけりになります。
独自ロジックへの対応
次は、独自ロジックへの対応です。
不足している機能を開発する際にもアドオンが利用されます。
ただ、ロジックの開発は開発難易度が非常に高く、バージョンアップを行う際に負担になってしまうことも多いためあまりおすすめはできません。
バージョンアップ時の弊害
アドオンは以上のような特徴がありますが、バージョンアップ時の弊害になることもあります。
アドオンは外部からシステムを導入しているような形になりますので、純正に非純正のものを導入することになります。
ERPのバージョンアップを行う際に弊害となってしまう可能性が大いにあります。
カスタマイズとの違い
さて、ここまでアドオン開発について解説しました。
しかし中には「カスタマイズと一緒じゃないのか」とお思いの方もいるかと思います。
では、アドオン開発とカスタマイズとの違いを解説します。
アドオンは新機能の追加
まず、アドオン開発は「新機能の追加」のために行われます。
競合他社と比較して機能が不足している場合や競合他社をだしぬくために新しい機能を追加したい際に利用されることが多いです。
ではカスタマイズとの違いはどこにあるのでしょうか。
カスタマイズは変更
一方でカスタマイズは「変更」のために行われます。
例えば、「管理画面のカスタマイズをする」と言われると管理画面を追加することではなく、管理画面を見やすいように変更する意味で使われることが多いでしょう。
カスタマイズは追加という意味はありませんので、明確な違いがあります。
そのため、「この機能をカスタマイズしよう!」となっても、開発を進めるわけではありません。
あくまで機能を変更するためにカスタマイズという言葉が使われます。
カスタマイズとアドオンの違いを履き違えないようにしましょう。
アドオン開発の種類
一言で「アドオン開発」と言っても、色々な種類があります。
アドオン開発の種類について解説します。
帳票関連
まずアドオン開発の種類は、帳票関連です。
帳票関連はアドオン開発の中でも一番多いもので、以下のような用途に利用されることが多いです。
社外クライアント向けの見積書や請求書・財務報告書などの作成
社内業務管理用に必要なものの作成
ちなみに、帳票関連は色々な種類があり数百種類ほどありますので、アドオン開発はそれだけ多岐に渡ることがわかります。
画面関係
次のアドオン開発の種類は、画面関係です。
業務管理上、様々なシーンで管理画面を触ることが多いと思いますが、その際の管理画面を見やすくしたりするために使われます。
画面関係のアドオン開発は負担が軽く、気軽に行うことができますが、数が多くなってしまいがちですので徐々に開発を進めていくのが基本です。
接続インターフェース
次のアドオン開発の種類は、接続インターフェースです。
ERPを導入しても他のシステムを丸ごと統合したということにはなりませんので、接続インターフェースを一気にまとめる必要があります。
他システムとの連携のために接続インターフェースのアドオン開発は欠かせません。
ロジック関連
次のアドオン開発の種類は、ロジック関連です。
これは他社にはない自社だけの独自システムを開発するために使われます。
ただ、標準でインストールされている機能では対応できないことが多く、ロジック関連の必要性はあると言えるでしょう。
アドオン開発の中でもロジック関連はもっとも負担が大きいものになります。
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SAPのアドオン開発はなぜ必要か
膨大な費用がかかることもあるSAPのアドオン開発。
そもそもSAPのアドオン開発はなぜ必要になっているのでしょうか。
他社との差別化
まずは、他社との差別化です。
SAPのアドオン開発は他社にはないシステムを導入することができますので、他社との差別化を図ることができます。
そのため、他社では使えないようなシステムを開発する場合はSAPのアドオン開発が必要になるということです。
機能の補足
次は、機能の補足です。
SAPのアドオン開発は他社にはないシステムを追加するだけではなく、他社と比較して自社が足りていない部分を補足するためにも使われます。
一般的には機能の補足のためにSAPのアドオン開発が使われることが多いです。
アドオン開発の問題点
他社との差別化が図れたり、自社にはないシステムを導入することができるアドオン開発。
しかし、アドオン開発には以下のような問題点があります。
コスト増
まずは、コスト増です。
当然ですがアドオン開発を行うためには費用がかかりますし、担当者もアドオン開発の対応に時間を取られます。
社内全体のコストが増大することは避けられません。
運用の複雑化
次は、運用の複雑化です。
自社で運用しているシステムに対してアドオン開発を行い別のシステムを導入したとしましょう。
お互いのシステムが干渉し合うことはないにしても、システム同士の整合性が100%であることはありません。
つまり、元々あったシステムの運用方法がアドオン開発により適用できなくなる可能性が高いのです。
運用コストも上がってしまいますし、運用担当者には再度運用の方法について検討してもらう必要があります。
アドオン開発は信頼できるベンダーを選ぼう
今回はアドオン開発について解説しました。
アドオン開発と混同されがちなカスタマイズとの違いについても解説しています。
違いを理解していないとシステム運用上の妨害になってしまう可能性もありますので、違いは必ず理解しておいてください。
アドオン開発は日々の業務を改善してくれる可能性がある開発手法ではありますが、導入方法によっては社内システムを崩壊させる可能性もあります。
アドオン開発を行う際には信頼できるベンダーを選定する必要を忘れずに。